わたしは日の下に一つの悪のあるのを見た。それはつかさたる者から出るあやまちに似ている。
世の中の移り変わりを見ていると、 もう一つの悪が目についた。 王や支配者たちの嘆かわしい有様だ。
太陽の下に、災難なことがあるのを見た。 君主の誤りで
愚かな者が、ぜいたくな暮しをするのは、 ふさわしいことではない、 しもべたる者が、君たる者を治めるなどは、 なおさらである。
正しい者が勝つときは、大いなる栄えがある、 悪しき者が起るときは、民は身をかくす。
つかさたる者があなたに向かって立腹しても、 あなたの所を離れてはならない。 温順は大いなるとがを和らげるからである。
すなわち愚かなる者が高い地位に置かれ、富める者が卑しい所に座している。
わたしはまた、日の下を見たが、さばきを行う所にも不正があり、公義を行う所にも不正がある。
わたしはまた、日の下に行われるすべてのしえたげを見た。見よ、しえたげられる者の涙を。彼らを慰める者はない。しえたげる者の手には権力がある。しかし彼らを慰める者はいない。
わたしはまた、日の下に空なる事のあるのを見た。
わたしは日の下に悲しむべき悪のあるのを見た。すなわち、富はこれをたくわえるその持ち主に害を及ぼすことである。
わたしは日の下に一つの悪のあるのを見た。これは人々の上に重い。
すべての人に同一に臨むのは、日の下に行われるすべての事のうちの悪事である。また人の心は悪に満ち、その生きている間は、狂気がその心のうちにあり、その後は死者のもとに行くのである。